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2008年10月 アーカイブ

多言語 SEM 処方箋 2 :導入時の留意点

前回は、海外進出する企業のマーケティング活動のフィージビリティスタディ(事前調査)として多言語SEM(検索エンジンマーケティング)を活用することのメリットについて紹介いたしました。今回は、多言語SEMを導入するにあたっての留意点を紹介します。

英語に少しでも触れた経験がある方であれば、TOEICはご存知かと思います。

このテストは1976年に公開され、2006年5月に大きなリニューアルを実施しました。試験問題には現地特有の言葉が使用されるようになりました。ヒアリング問題に関しても、今まではアメリカの西海岸の英語のみだったのに加えて、イギリス、カナダ、オーストラリアという様々な地域の発音バリエーションが追加されています。つまり、各英語主要国にローカライズされたのです。

それでは、何故、様々な地域の言語を世界共通テストへ導入しているのでしょうか?
TOEICがこのように踏み切った変化に注目してもらいたいと思います。

世界の人口60億に対して、英語を話す人口は約10億人(第一言語、第二言語含む※1)と言われ、10年後には2倍の20億人へ増えると言われています。※2

「郷に入っては郷に従え」ということわざがあるように、マーケットの環境やニーズにさらなる対応ができるよう、現地の本物のコミュニケーション力が必要とされています。

ここで筆者が伝えたいことは、特定の地域ではその地域の言葉(方言)を使用することによって、コミュニケーションが円滑になる可能性が高くなるということです。例えば、沖縄県で関西弁を話しても地元住民と円滑なコミュニケーションを望めませんし、青森県で博多弁を話しても通じないでしょう。これは海外であっても同じことです。アメリカ英語とイギリス英語、カナダ英語、オーストラリア英語でそれぞれ異なる表現、発音などが存在しています。

例)アメリカ英語とイギリス英語の違い※3(数値は検索数)
アパート(アメリカ:apartment、イギリス:flatが主に使用されている)
          アメリカ     イギリス
apartment  13,600,000    823,000
flat        9,140,000   13,600,000

秋(アメリカ:fall、イギリス:autumnが主に使用されている)
          アメリカ     イギリス
fall        9,140,000    1,000,000
autumn    1,500,000     301,000

つまり、多言語SEM(検索エンジンマーケティング)とは現地のエンドユーザーが検索する言葉に対して広告を表示させます。その為、普段から使用している現地の言葉で検索される可能性が考えられます。

また、多言語SEMを始める導入段階の留意点として、その国の文化(宗教や祝日など)と生活スタイル(生活習慣と趣向など)を把握しておくことも効果的なSEMを実施するうえで欠かすことができません。

要するに、SEM運用時にはアタマの中の思考を下記のようにターゲット英語圏のローカライズする必要があるのです。

例)生活スタイルとして○○○(国)では、
・仕事は定時まで
・就寝が早い
・休日は家族サービス

○○○国の文化として、
・宗教による規制
・祝祭日

次回は、多言語SEMの事例を紹介いたします。
乞うご期待。

出典
※1:第一言語とは、その人が受けた学校教育の教授言語。
 第二言語とは、第一言語を習得した後に使用することができる第一言語以外の言語。

※2:ウィキベディアより。

※3:アウンコンサルティング調べ。Googleキーワードツール、2008年10月8日時点。

(執筆:CBMグループ T・K)

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多言語 SEM 処方箋 1 :海外進出の検討

多言語SEM(検索エンジンマーケティング)の実務に関わっている観点で、
 - 海外進出戦略のフィージビリティスタディ(事前調査)として多言語SEMの活用
 - 実際に多言語SEMを導入する上での留意点
 - 多言語SEMの具体的な事例
を数回にわたって紹介いたします。

企業のマーケターとしては当然のように知っているかと思いますが、昨今の市場は、数限りあるパイの奪い合いとなっている現状です。
 - 日本国内マーケットの縮小
 - 人口の減少による消費の伸び悩み
 - 高齢化が進むことによる国内マーケットへ及ぼす影響
という事象があり、このような国内マーケットへ光を見い出すことが困難となっています。

企業存続のために、これらのマイナス要因を払拭する戦略として、海外マーケット活用が数年前から注目されています。

海外へ進出/海外から集客しよう、と提言することは簡単ですが、具体的にはどのような手法で海外マーケットから収益を獲得していくのでしょうか。海外進出の際には、わずかなリスクでも事業が暗礁に乗り上げてしまうようなケースがあるので、リスクヘッジとして綿密なフィージビリティスタディを実施する必然性があります。

実際に海外進出する戦略として次のようなものが考えられます。
 - 現地パートナーを探し合弁会社を立ち上げる
 - フランチャイズやライセンス契約を現地パートナーと交わす
 - 直接現地に子会社を設立する
上記以外にも、様々な海外マーケット進出方法がありますが、これらには多大な時間と労力を要します。もちろん失敗すると企業に大きな傷跡を残すでしょう。

そこで、フィージビリティスタディとして多言語SEM(検索エンジンマーケティング)の活用をお勧めいたします。もちろんビジネス形態や業種・職種によっては、インターネット広告だけでは現地の需要を100%把握できるとは限りませんが、低コストですぐに始められる気軽さにメリットがあります。また、短期間に広範囲で多くの調査を実施できるという部分でも、他に勝るのではないでしょうか。

未開拓の海外マーケットへ進出するためには、ターゲットやプロダクトなどのセグメントは非常に大切なファクターとなります。この調査に多言語SEMとしてのP4P(検索連動型広告)を活用すると、ターゲットユーザやエリア、キャッチコピーなどを利用して現地の需要を見極めることができます。

例えば、日本特有のアイテムを揃えるECサイトが海外(英語圏)へ進出しようと考えた場合、初めから実店舗を現地へ出店するわけにはいきません。そもそも、どこ(国・地域)がブルーオーシャンマーケットなのか見当が付かない場合があります。現地の見本市や展示会への出展なども選択肢として考えられますが、労力がかかるわりには手ごたえが感じられないケースも少なくありません。

そこでP4Pを利用すると、英語圏の中でもどの国・地域に需要があるのか短期間に把握することが可能になります。また、その後の本格的なプロモーション、ブランディングにも活用できるという複合的なメリットを得ることもできます。

したがって海外進出する際、フィージビリティスタディとして多言語SEMを活用することによって、他の方法よりも無駄な労力を削減でき、効率的なマーケティングデータを手軽に集約することができると考えています。

さて、次回は実際に多言語SEMを導入する際の留意点をいくつか紹介いたします。
乞うご期待。

(執筆:CBMグループ T・K)

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百度知道から見る中国人ユーザーの素顔

最近、百度が「中国人知識検索行動研究報告」という発表を行いました。これは、【百度知道】(バイドゥチーダオ)という、検索エンジン百度の中にある検索Q&Aコミュニティーについての調査報告です。(※1)
今回は、こちらについて読んで感じた事を皆さんと少し共有できればと思います。

【百度知道】は、報告によると、世界最大の情報共有コミュニティーとして、スタートしてからたったの二年間で17,596,864個の質問が書き込まれ、そのうち17,012,767個の質問が回答されました。【百度知道】の質問全体に対しての回答率は96.7%と、高い水準を保持しています。また、1日に1,000万人以上のユーザーが利用しており、とても参加性の高い情報共有コミュニティーとなっています。毎日、平均71,308個の質問が書き込まれ、1個の質問に対して、およそ3.14名のユーザーが回答に参加しています。

もし、この世界で、他人に分ければ分けるほど自分に持ち分が増えていくものがあるとすれば、それは知識と情報です。【百度知道】では、誰でも先生になる事ができ、誰でも生徒になり得ます。最低限のコストで最大限に知識と情報を広めていく、【百度知道】はちょうど、こういった無限の知識と情報を提供するプラットフォームとして存在しています。

ここで、【百度知道】で行われている質疑応答から、中国人の素顔や生活を覗いてみましょう!

<中国人最も悩んでいる事>
今の中国の若者たちは、家庭・恋愛の問題について多く悩んでいる様です。
“結婚すべきかどうか”など、家庭・恋愛に関連する質問は、全体60%以上を占めています。昔から結婚・育児などは中国人にとって最も大事なことでした。しかし、近年、地価・物価の上昇・仕事のストレス、また、ますます増える晩婚などから、子供を生まない家庭も多くなってきています。“子供を育てるかどうか”も多くの人々が悩んでいる事だとわかりました。

<中国人の消費観念の変化>
昔、中国では、「銀行からローンで家を買う」という概念が入ってきた時、“借金”して家を買う事について、中国人にとってなかなか理解できないものでした。“将来のお金”で今の生活を良くするというのは不安がいっぱいです。例えば、欧米人は将来のことより今の自分の生活を良くすることに関心がある、という文化の違いについて昔から中国で言われています。それに対して、「今」頑張って「将来」に自分のお金で家を買う、という事が中国人のやり方でした。

しかし、今回の【百度知道】の調査結果から見ると、今の中国人の消費観念も従来と少しずつ変わってきているようです。近年、中国人の関心度が最も高まってきたのは株・投資・証券など“将来のお金”のことになってきています。また、百度検索の中で、各種の銀行ローンに関しまして、最も検索数多いのは「住宅ローン」であることが分かりました。ローンに関する検索全体の16%以上占めています。これらは、最近多くなってきた日本に旅行をしにきた中国人旅行者が、クレジットカードで大量ショッピングする現象からも頷けます。従来の「保守型」と言われた中国人の“金銭観”は少しずつ欧米の「オープン型」に移行しているようです。

筆者は【百度知道】という知識と情報の共有コミュニティーから、中国人が今現在の関心をもっていること・悩んでいること・流行っていることなど、様々な面から中国人、及び中国という国の自体の素顔を見ることが出来ました。

これから中国市場を狙おうとしている企業さま、特にコンシュマーを見込み顧客とするBtoCの企業さまも、【百度知道】のようなウェブコミュニティーを通じて自分の将来の市場を覗いてみると、ウェブマーケティングのヒントが見つかるかもしれません。

出典
(※1)百度株式会社、2007年6月28日発表「中国人知识搜索行为研究报告」より

(執筆:CBMグループ G・AN)

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香港の言語 - 話し言葉、書き言葉 -

今回は、香港マーケットにおけるグローバルSEM(検索エンジンマーケティング)の留意点について、述べていきます。

まず、グローバルSEMを実施するにあたり、見込み顧客となるユーザーがどのような言語のキーワードで検索するかを考えていく必要があります。当然のことながら、ターゲットユーザーの国の「公用語」を設定する事から始めるのではないでしょうか。

ここで質問をしたいと思います。
香港の方が雅虎香港(Yahoo!香港)やGoogleといった検索エンジンで検索を行う際に、使用する検索キーワードの言語が何かをご存知でしょうか?

香港という地域の背景を知る方にとっては簡単な質問かも知れません。
答えは、広東語(繁体字)、そして英語です。

それでは、この2言語について、利用割合や常用化されている理由を説明できる方はどれ位いらっしゃるでしょうか。

実際に、香港で日常的に利用されている公用語は広東語(繁体字)であり、人口の 95.2%が広東語を常用もしくは理解(※1)しています。しかし、香港は1997年に中国へ返還されるまでイギリス領だったこともあり、英語を常用もしくは理解している人も4割近くいます(※1)。また、最近では、中国への返還に伴い、広東語と英語に加え、普通語といわれる北京語をベースにした標準語も普及しつつあります。

こういった背景がわかると、香港人が一般的に検索するキーワードは、広東語が一番多く、少しは英語・北京語も検索されると想定してしまうのではないでしょうか。

しかし、検索数を調べると、英語での検索数が予想以上に多い事に気が付きます。
これはなぜなのでしょう。わざわざ英語を利用する必要はないのではないかと考えてしまいます。英語が出来る人が多いといっても、事実上の公用語は広東語であり、広東語以上に英語のほうが得意であるという香港の方は、あまり多くはないでしょう。

この理由として、香港では広東語でのパソコン入力ができない方が多いという事があげられるのです。
パソコンを利用する際、つまり、広東語を書き言葉としてパソコンに入力する場合は繁体字(※2)を利用します。繁体字の入力方法としては、主に、1.速成(スチェン)2.倉頡(ツァンジェ)3.拼音(ピンイン)4.手書きという方法があります。しかし、このやり方がわからない(習っていない)人が意外にも多いそうです。比較的に、30才以上の方に分らない方が多いと聞きます。

日本人である筆者にとっては、何だか不思議な話です。香港人同士のやりとりにも関わらず、ビジネス現場において英文でメールをした後、電話では広東語で会話するという事が起きているのです。最近の学校では、若い人へピンインの教育が行われているようで、広東語でのパソコン入力をできる人が増えてきてはいるそうです。

この様に、グローバルSEM(検索エンジンマーケティング)をより成功に近づける為には、こういった対象国で利用されている言語の背景を理解する必要があるのです。たとえば、P4P(検索連動型広告)を出稿するなら、登録するキーワードは英語でも、キャッチコピーを広東語で表示させたり、広東語のLP(ランディングページ)の導線設計に工夫が必要になってきます。

つまり、英語で検索が行われたといってもユーザーは英語が得意というわけではない、また、英語での情報を欲しているとは限りません。この様に、検索キーワードについて言語設定の重要性について見直してみてはいかがでしょうか。


(※1)「HONG KONG 1997, A review of 1997,Government Information Service Department of Hong Kong」より

(※2)中国語の画数の多い旧字体。香港・台湾・マカオなどで利用されている。

(執筆CBMグループT・M)

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「グローバル言語=英語」での検索ニーズ

私が、初めて英語を使った(話した)のは、中学生の夏でした。この時、旅行で訪れた米国は見るもの全てが新鮮で刺激に満ちていました。
滞在中、ファーストフードチェーン店の「BURGER KING」で、初めて英語を自分で話して注文したこと、そして店員さんに内容が伝わったことは、今でも鮮明に覚えています。

「Can I have a cheeseburger・・・ 」

米国は多民族国家であり、英語が母国語としない人口の割合は約15%にもなり(※1)、ヨーロッパ系、ヒスパニック系、そしてアジア系移民と多種多様な人種が集まっています。英語の発音の仕方も多様となり、「初めて英語を使う日本人旅行者」が発するぎこちない英語の聞き取りにも慣れているのです。

私が中学生の頃は「英語が使える(話せる」)」だけでカッコいい時代でした。
しかし、今や英語はグローバル社会の共通言語であり、「英語が使える(話せる)」の事は当り前という時代になってきています。特にアジア圏・ヨーロッパ圏では、母国語と同じように流暢に英語を話す人が多いです。英国の新聞「telegraph」(※2)が「英語は今後、母国語以外の人が話す共通語としてその重要性をさらに増し、10年後には20億人が使用する」という記事を報じていました。英語は話せて当り前という世の中になっているのです。

実は、「検索」でも英語のグローバル化の影響が表れてきている事がわかります。
非英語圏における英語での検索が増えているのです。
Google.comで「tokyo apartments」の英語での検索数の割合を各国で比較してみると、アジア圏・ヨーロッパ圏で「検索」されていることが分かります。(※3)

シンガポール  6.50%
韓国        2.30%
インド      1.30%
香港       1.30%
中国       0.5%
フランス      0.7%
ドイツ       0.7%
イタリア      0.4%  

検索の世界で英語がグローバル言語になってきた時代だという事を実感します。
また、これは企業が海外に向けて英語で事業展開やSEM(検索エンジンマーケティング)による集客を行う際にも、世界中がターゲットの対象になってくるということでもあるのです。

これからますます英語圏のボーダーレス化が進むことでしょう。英語圏の中心は、米国、英国、豪州等だと思っていると、いつの間にか時代に取り残されてしまうかもしれません。

また、英語が当たり前に活用される中、第3言語のニーズも高まっていくはずです。
例えば日本でも、現在、群馬県大泉町の人口の1割がブラジル人、静岡県浜松には約1万人のブラジル人が住んでいます。今後、更にグローバル化が進めば、ブラジルや他のポルトガル語圏から日本へ移住する人も増えるでしょう。
「日本国内でポルトガル語で検索される」といったように、英語以外での言語での検索も、そう遠くない将来に増えるかもしれません。

第3言語(英語以外)のボーダレス化がどう進んでいくのか、非常に気になる今日この頃です。

※1 「List of countries by English-speaking population」 en.wikipediaより

※2 「English will turn into Panglish in 100 years」 telegraph.co.jp より

※3 アウンコンサルティング調べ。全世界における「tokyo apartments」の検索数9,900件(Google AdWordsキーワードツールから算出、2008/9/23時点)を全体としたときの各地域の検索数の割合。

(執筆:CBMグループ M・Y)

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