多言語 SEM 処方箋 2 :導入時の留意点
前回は、海外進出する企業のマーケティング活動のフィージビリティスタディ(事前調査)として多言語SEM(検索エンジンマーケティング)を活用することのメリットについて紹介いたしました。今回は、多言語SEMを導入するにあたっての留意点を紹介します。
英語に少しでも触れた経験がある方であれば、TOEICはご存知かと思います。
このテストは1976年に公開され、2006年5月に大きなリニューアルを実施しました。試験問題には現地特有の言葉が使用されるようになりました。ヒアリング問題に関しても、今まではアメリカの西海岸の英語のみだったのに加えて、イギリス、カナダ、オーストラリアという様々な地域の発音バリエーションが追加されています。つまり、各英語主要国にローカライズされたのです。
それでは、何故、様々な地域の言語を世界共通テストへ導入しているのでしょうか?
TOEICがこのように踏み切った変化に注目してもらいたいと思います。
世界の人口60億に対して、英語を話す人口は約10億人(第一言語、第二言語含む※1)と言われ、10年後には2倍の20億人へ増えると言われています。※2
「郷に入っては郷に従え」ということわざがあるように、マーケットの環境やニーズにさらなる対応ができるよう、現地の本物のコミュニケーション力が必要とされています。
ここで筆者が伝えたいことは、特定の地域ではその地域の言葉(方言)を使用することによって、コミュニケーションが円滑になる可能性が高くなるということです。例えば、沖縄県で関西弁を話しても地元住民と円滑なコミュニケーションを望めませんし、青森県で博多弁を話しても通じないでしょう。これは海外であっても同じことです。アメリカ英語とイギリス英語、カナダ英語、オーストラリア英語でそれぞれ異なる表現、発音などが存在しています。
例)アメリカ英語とイギリス英語の違い※3(数値は検索数)
アパート(アメリカ:apartment、イギリス:flatが主に使用されている)
アメリカ イギリス
apartment 13,600,000 823,000
flat 9,140,000 13,600,000
秋(アメリカ:fall、イギリス:autumnが主に使用されている)
アメリカ イギリス
fall 9,140,000 1,000,000
autumn 1,500,000 301,000
つまり、多言語SEM(検索エンジンマーケティング)とは現地のエンドユーザーが検索する言葉に対して広告を表示させます。その為、普段から使用している現地の言葉で検索される可能性が考えられます。
また、多言語SEMを始める導入段階の留意点として、その国の文化(宗教や祝日など)と生活スタイル(生活習慣と趣向など)を把握しておくことも効果的なSEMを実施するうえで欠かすことができません。
要するに、SEM運用時にはアタマの中の思考を下記のようにターゲット英語圏のローカライズする必要があるのです。
例)生活スタイルとして○○○(国)では、
・仕事は定時まで
・就寝が早い
・休日は家族サービス
○○○国の文化として、
・宗教による規制
・祝祭日
次回は、多言語SEMの事例を紹介いたします。
乞うご期待。
出典
※1:第一言語とは、その人が受けた学校教育の教授言語。
第二言語とは、第一言語を習得した後に使用することができる第一言語以外の言語。
※2:ウィキベディアより。
※3:アウンコンサルティング調べ。Googleキーワードツール、2008年10月8日時点。
(執筆:CBMグループ T・K)


